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「ちょっと暮らし」は私のライフワーク 北海道商工連合会 特別推進局 次長 大山 慎介氏

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「ちょっと暮らし」は私のライフワーク 北海道商工連合会 特別推進局 次長 大山 慎介氏

2010/12/21

「ちょっと暮らし」という言葉を聞いたことがあるだろうか?日本の人口は、2004年をピークに減少傾向に転じている。未来総研によると2035年には北海道の人口も424万人と、現状より100万人以上も少なくなると予測されています。北海道は広大な大地に食料自給率200%を超える日本の中でも大いなる可能性を秘めた地域である。全国に先駆けて移住交流に取組み、他県から注目されている「ちょっと暮らし」の仕掛け人 NPO法人住んでみたい北海道推進会議総括プロデューサー大山慎介氏に話しを聞いた。


全国初の「ちょっと暮らし」
   
 この仕事に携わるきっかけは2002年道庁にいた際、札幌青年会議所の事業を一緒にやったことから始まっています。当初は、団塊世代の大量退職時期に合わせて東京などに働きに出た人達を北海道にUターンさせ個人消費の拡大をテーマにしていました。やがて、道庁でも正式に組織が立ち上り、第二の故郷探しとして北海道に移住してもらおうという施策になりました。そのためには観光による短期滞在から、ロングステイして良さを理解してもらう必要があります。05年には一万人アンケートによる実証実験が始まり、翌年から本格的な取組みを全国に先駆けて展開。08年には人口減少に悩む道内各市町村と連携し、魅力あるまちをそれぞれが創意工夫しながら訴え「自分探し」のお手伝いをするようになってきています。現在は、道庁から北海道商工連合会に出向し、移住希望者と受入れ先の自治体とマッチングに力を入れ、単に移住という概念にとどまらず生活産業の創出を目指し、元気な地方となるために全国各地を歩きながら様々な取組みを展開しています。



「ちょっと暮らし」は街を元気にする

  最初は、28人の参加。しかし、NHKの番組に特集で報道されるなど予想以上の反響があった。しかも取り組んだ自治体は浦河や八雲といった地方都市。それなら自分たちの街でも可能性があると思ったのか、続々と他の自治体も始めていまでは88の市町村で「ちょっと暮らし」を取組んでいます。それらの街では、学校の統廃合によって空いた比較的新しい教職員住宅を月5万円で貸すことからスタートしました。結果、現在では年間1千人を超える方が道外から訪れ、平均で25日も滞在するまでになっています。長期に滞在することで、その街のスーパーで買い物をしたり、時には飲食をし、クリーニングや床屋なども利用するようになります。最初は、街の人もどう接していいかわからないといった戸惑いも見せていましたが、何度も経験するうちに「ちょっと暮らし」は、街の活性化になると気づいたのです。もともと北海道は歴史も浅いせいか、フレンドリーな気質がある。小さい街ほど、新しく訪れてくれたプチ移住の人がわかることからコミュニティを大切にするようになってきました。また、長期滞在する人達は、自らレンタカーを借りその街にとどまらず、あらゆるところに足をのばすためより自分たちに向いている住みやすい場所を探す傾向にあります。いきなり何千万もかけて移住するのは不安でいっぱいですが、医療や仕事など不安材料を払拭してからの移住こそが地域再生を含めた双方のプラスになるのです。たとえ、移住につながらなくとも北海道ファンになっていただくことで、消費拡大や地域間の交流を深めることにつながっていきます。
 
  今の課題は、6~9月に「ちょっと暮らし」を希望する人が圧倒的に多く、賃貸物件の供給がたりない状況になっています。逆に冬の間は、人間の住む所ではないイメージをもたれ訪れる人がほとんどいません。様々なシーズンを体験することで、北海道の四季折々の良さを知ってもらうことがこれからの課題です。いずれは、札幌や函館など全国の人気ランキング上位の街にも「ちょっと暮らし」を広めていく必要があります。幸か不幸か経済が低迷して都市部では空家も数多くあります。地域振興策として、民間業者や行政などとも連携を深めながら北海道全体で「ちょっと暮らし」を推進していく時期が来ているのではないかと思われます。


全ての世代が対象に
 
 東京や大阪でシンポジウムをすると、地球温暖化や環境破壊に対する危機感を物凄く抱いていることを感じさせられます。驚くべきことに農業や食をテーマにしたフェアを本州でやると、リクルートスーツを着た大学生が押し寄せてきます。北海道の農業従事者の平均年齢は66歳。しかも、後継者がいなく遊休農地も拡大しつづけるなど問題が山積しています。これからは、若者にも「ちょっと暮らし」をPRして、農業をはじめ北海道らしい仕事に従事してもらうことも施策の一つなのではないかと考えています。また、札幌は支店経済の典型的な街として多くのサラリーマンが働いています。家族を含め住んでいる方々から札幌が大好きになったとよく聞きます。やがて、東京など転勤で戻ったとしても終の棲家は北海道を選んでほしい。魅力を伝えなくとも理解している人達にアプローチするのは効果的だと思われます。「ちょっと暮らし」は、いまや日本全国で取組んでいますが、まだまだ歴史が浅い。街も人も自然も食もあらゆる魅力にあふれている北海道。この大地と同じように「ちょっと暮らし」は無限の可能性を秘めています。私は、北海道の未来のために生涯をささげる覚悟で「ちょっと暮らし」の魅力を伝え続けていきます。



  
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