新学習要領の完全実施を迎えた本年。各地域における小学校での取り組みを紹介する最終回。まちの移り変わりに伴い子どもの数が減少し、2012年4月に4校を2校に統合する真駒内エリア。学校が変わっても子どもへの教育は変わらない。それどころか、もっとより良い方向を目指して様々な施策を検討している。いつの時代でも求め続けていくのは子どもたちの笑顔。2校の交流を行っている忙しい日に真駒内曙小学校大室校長に話を聞いた。
挨拶は基本
今年度の重点テーマは挨拶と言葉使い。昨年から継続してのテーマですが子どもと同様に職員にも課題を課せている。挨拶しなさいと教える先生が出来なくては説得力がない。同じように保護者の方も気にされている。学習指導要領の中にも敬語を大事にしようという項目がある。教育テーマや目標は、一般的・抽象的な文言が多くなかなか子どもたちまで浸透させていくのが難しい。私たち現場の職員は、出来るだけ具体的に示さなくてはならない。だから私たちは挨拶をきちんとする、正しい言葉使いをするということが人間教育の中で最も重要なことだと考えています。
保護者・地域とともに前進する学校経営を掲げている。少子高齢化の波は真駒内地域にも確実に押し寄せている。団地に住む一人暮らしのお年寄りは、家からなかなか出る機会がないと聞く。子どもたちと一緒になって学校教育に携わってほしいという観点から昨年は学校だけではなく団地の中にも花壇を作り一緒に植えました。花の植え方や育て方をお年寄りから教わり一緒に作業することで年代を超えた交流に結び付いています。他にも保護者ではなくても授業参観に来ていただくなどあらゆる行事を地域と一体となって創っていく教育を目指しています。今年の9月には市内には2校しか指定されていない人権教育の発表があります。3年計画の最終年でもあり、曙小学校としての公開授業では最後のテーマとなります。他人の意見を聞いて自分の意見を明確にしていくといった、子どもたち同士の横の繋がりを大切にしています。他人を敬うことで自分を大切にする。日本人が持っている古き良き道徳観を総合学習の時間で教えています。是非、関係者だけにとどまらず多くの方にお越しいただきたいと願っています。

交流は仲間作り
統合は来年の4月だが、会社の合併と同様、突然一緒になりましたと言われてもうまくいきません。そのため1年かけてお互いの子ども同士が仲良くなることを目指しています。5月2日初めて真駒内小と曙小の交流会を行った。両校の校長・児童会長が挨拶し、校歌を披露。その後、クイズ形式のゲーム。同じ学校同士のグループにせず、真駒内小・曙小が混在したチーム作りをして臨みました。次回は遠足の計画。両校真駒内公園に集合して合同の出発式。学年で行き先は変わりますが、目的地まで一緒に行き、昼食を食べるといった内容までしかまだ決まっていない。総合学習の時間を使った交流も検討しています。真駒内は、明治の開拓者であるエドウィン・ダン記念館があったり、戦後は米軍が一時使用したり、日本で初めて冬季五輪を開催するなど歴史の古い街であります。学校の歴史を含めていろいろ子どもたちに調べてもらい、お互いまとめたものを発表する場を設けることも考えています。そして現在、曙小の体育館は改築工事が行われていて来年2月まで使用できません。屋内での体育授業が出来ないため、真駒内小に借りることも想定。単に授業に借りるだけではなく、ドッチボールやゲームなど運動での交流も可能ではないかと検討しています。

何よりも一番気をつけなくてはならないことは、新しい学校を作っていくという意識です。本来であれば新校舎を建てて、そこに2校の子どもが通う。たまたま規模や設備を見てみると曙小の校舎を使えるということになっただけということにすぎない。子どもたちに違和感を覚えさせないようにするのが私たちの責任です。そのためには、子どもの交流と同様に先生や保護者たちも積極的に交流していく必要があると思われます。具体的な細かい内容はまだまだ決まっていないのが実情ですので、一足先に統合したもみじ台地区の話を聞きながら一つひとつ不安を解消していきたいと思っています。いずれにしても私たちは子どもがしっかり学べる学校を作ること。勉強だけではなく生きる力を身につけさせたい。4月、新しい学校で一緒なった時に同学年の子どもたちは全員の顔と名前がわかり仲良くなっているということが一番大切なのです。

笑顔は永遠のバトンリレー
昨年7月に宇宙飛行士の山崎直子さんが曙小に訪れてくれました。宇宙から帰ってきてすぐに「どこに行きたいか?」と聞かれ札幌と答えたそうです。しかも、山崎さんは小学校1・2年時に在校していただけにもかかわらず・・・。講演会では子どもたちに「思いやりの心で人に接し、仲間とのチームワークを大切に」「自分が好きなことや興味を抱くものを大事に」など子どもたちへ熱いメッセージを送ってくれました。そのことはひとえに未来を創っていく子どもたちの笑顔こそが時代や地域、時空を超える思いに他ならないと思うのです。その結果、いじめも不登校も全くない、楽しく学べる学校にすることが私の願いです。
