8月19日から第14回国際野球大会16歳以下のAA世界選手権がメキシコの地で開催される。全国にある中学硬式野球7リーグから代表20名という激戦を、サン苫小牧クラブの伊藤優希君が選ばれた。監督は巨人軍OBで06年WBC投手コーチとして優勝に貢献した鹿取義隆氏。その大会を目前に控えた苫小牧クラブ主将伊藤優希君と北見で行われた少年野球教室に講師として来道していた鹿取監督に大会に向けての熱い胸のうちを語ってもらった。
野球との出会い
幼稚園の時、5歳上の兄が野球を始めたのをきっかけに一緒にキャッチボールをしました。その後、兄は硬式野球を始め苫小牧クラブ・駒大苫小牧に進み今も大学でプレーしています。硬式ボールでプレーする兄はいつも楽しそうだった。兄のようになりたいと思い、同じクラブに入団しました。軟式から硬式に変わって打球や守備でのボールの感覚に戸惑うこともあったけど中1から1番センターでスタメン出場し、レギュラーを獲得。2年生からは遊撃手を守っています。練習は毎週、月木を除く5日間。一日3~4時間の練習で汗を流します。チーム練習が終わって帰ってからの素振りは欠かしません。休みの日は勉強です。野球に比べてチョー苦手。だけど、受験生なので必死に頑張っています。

キャプテンとして
昨年、先輩たちからキャプテンに指名され、秋に新キャプテンになりました。キャプテンになってからチームをまとめる難しさや一つひとつの行動など責任や自覚が身に付きました。一年生がする球拾いや道具の片づけ、試合では大きな声を出してナインを盛り上げるなど自分が率先して行動に出たことでみんながついてきてくれました。今でこそ学年関係なく全員仲が良くチームワーク抜群のチームです。その最高のチームで7月に行われた釧路での大会も優勝することができました。この勢いで8月の函館大会も優勝を目指しますが、自分はメキシコで開催される世界選手権に出場するため、7月の大会が最後となりました。
JAPANの誇りを持って
全国中の中学硬式野球チームから選ばれる今回のチーム。サンリーグから4人推薦されていることを聞いていました。まさか自分が選ばれるとは夢にも思いませんでした。実際にプレーを見て候補を決めるという話だったので本当に「嬉しい」の一言です。今年春のサンリーグ大阪大会の試合前日に鹿取監督から「明日見に行くから頑張れよ」と声を掛けられました。自分の売りは足。50メートルは6秒0です。盗塁は1試合で必ず1つ以上しています。メキシコに行く前に千葉で2日間合同練習があります。持ち味であるスピードを活かしたプレーを監督にアピールし、レギュラーを獲りたい。世界の舞台で「JAPAN」の胸に、優勝を目指してグランドを駆け巡ってきたいと思っています。

深紅の旗を再び北海道へ
高校の進路について4~5校から誘いが来ているようです。僕には教えてもらえず、監督と親で止まっています。でも自分の中では決めています。兄も駒大苫小牧から駒澤大学で野球をしています。先日、苫小牧に香田元監督が来ていて直接「進路は決めたか」と聞かれ思わず「駒澤に行きます」と答えてしまいました。駒苫の初優勝をした時の主将だった佐々木監督は憧れです。みっちりと鍛えてもらい甲子園に出場することが目標です。夢はもちろんプロ野球選手。そのためにも甲子園に行って良いプレーをし、評価してもらう必要がある。その結果、みたび深紅の大優勝旗を北海道に持ち帰ることが、兄を超える大きな一歩につながると願っています。
全日本監督 鹿取 義隆氏
今回少年野球の世界では初めてリトル、シニアなど7団体が協力してチームを結成しました。そのことだけでも快挙といえるのではと考えています。この世界選手権は16歳以下の年代の大会ですが、日本だけは中学生からの選抜です。成長が著しいこの年代の一年の違いというのは、物凄い違いがあります。したがってアメリカやキューバなどの各国は日本でいう高校生が主力のため対格差や体力といった身体能力では極めて不利であり厳しい戦いになると予想しています。また、開催地がメキシコのため酸素が薄い高地での試合となります。さらには慣れない食べ物と環境で体調管理が非常に難しい。代表選手は、技術だけではなく心と体の強い子がレギュラーとして求められています。いずれにしても、今回選ばれた選手たちはこれから野球を続けていくうえで貴重な体験となるに違いありません。日本は持ち前の機動力、投手力を主としたチームワークでWBC同様の勝利を目指します。
