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世界自然遺産登録から10年 未来に向けてさらなる取り組み 公益財団法人 知床財団 事務局長・主任研究員 増田 泰

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世界自然遺産登録から10年 未来に向けてさらなる取り組み 公益財団法人 知床財団 事務局長・主任研究員 増田 泰

2015/10/16

 世界遺産登録から10年。1972年第17回ユネスコ総会で、世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約が満場一致で成立。2015年現在、締約国は191か国、世界遺産の登録数は1,031件となっている。中でも知床は、登録数では少ない自然遺産であり、国内では3か所目の登録。共存と共生を目指し、世界的に稀有な存在の知床に生涯を捧げて歩む知床財団増田泰事務局長に話を聞いた。
 世界遺産登録の第1号は、1978年第2回世界遺産委員会で、アメリカのイエローストーンやエクアドルのガラパゴス諸島など12件が果たしました、日本では1993年に屋久島など4か所が初めて登録され、現在では文化遺産15件、自然遺産4件あります。知床は、2005年に登録されましたが、先の屋久島・白神山地とは条件が大きく異なりました。一番の違いは海を入れるということです。山側の陸地は1964年に国立公園に指定されていたことから森林などの保護、整備は万全と言える状態にありました。国際自然保護連合(IUCN)の実地調査を受けた際、海との繋がりが重要だと指摘を受けたのです。サケ・マスは川で生まれ海で育って川に帰る。サケ科には海と陸を繋ぐ川がポイントでダムを改良する必要がありました。また、斜里と羅臼は漁業が主体でありますが、トドなどの保護動物の保全と漁業との両立を諮った管理計画を提出することが求められました。特に漁業者には政府から新たな規制をしない、影響は与えないと約束した経由もあり、どう共存していくか目指すことになりました。幸か不幸か当時スケソウダラの漁獲高が激減し、将来の先行きが不透明な状態になり漁業者自らが自主規制を行うなど漁業形態のあり方そのものを大きく見直す時期になったのです。海の大切さや、恵みを理解し陸とあわせた環境保全が評価につながったと考えています。そして、何より世界的に稀な流氷接岸の南端であることが自然遺産登録の後押しになりました。

魅力ある観光資源に

 もともと知床は、世界遺産の登録以前から毎年コンスタントに観光客が訪れる所でした。登録された05年の250万人をピークに減少を続け13年は178万人と70万人も減っています。しかし、このことは10年前から言われていたのです。観光スタイルが変わり団体から個人にシフトすること。成熟した観光地であること。魅力ある宿が少ないこと等々知床と言うより北海道全体の問題として懸念された事項がなかなか解決にいたっていないと思われるからです。逆に世界遺産を契機にエコツーリズムの心が芽生え、知床五湖を中心としたガイド付きのツアーを行ったり、羅臼側では漁業者がクジラやシャチのウォッチングや遊漁船といった観光に力を入れ始めました。そして日本ではここでしか出来ない、冬期流氷ウォーク。流氷に覆われた上を歩いたり、下に潜ったりという体験は神秘の世界そのもの。我々は、知床というブランドを守るだけではなく、もっと生かしていかなくてはなりません。ここ近年は外国からの観光客が増えてきました。日本人には余り馴染みがありませんが、欧米ではバードウォッチングはメジャーな趣味です。知床にはオオワシやオジロワシ、シマフクロウといった日本どころか世界でもここでしか見ることが出来ない鳥が多数生息しています。トドやアザラシなんかも流氷に乗ってやってきます。希少種や絶滅危機種が多数いる知床は、世界的に見ても非常に優れた地域だとIUCNから高い評価を得ています。猛禽類や海獣類はカムチャッカから北方領土、知床と棲家を移動します。そのため日本だけの保護や保全ではなく、ロシアも一緒になって取組んでいく必要があります。世界遺産を通して民間レベルの交流を行っていくことが我々の役目だと捉え積極的にアプローチしています。

 知床だけではなく、屋久島でも問題になっているのがシカです。以前は保護を優先したために物凄い数で増えてきました。一番の問題は希少植物を根こそぎ食べてしまうことです。世界遺産になったら駆除など出来ないのではとよく言われますが、そんなことはありません。共存と共生はバランスなのです。観光客の多くの人たちが望んでいるのは野生の動物を見たい。希望に応えることも世界遺産の意義でもあります。しかし、あくまでも野生なのでエサなどはやってはいけません。餌付けは相互の生態系を大きく崩し、人間にとっては生死の危機を招く可能性が高まります。モラルを持った行動をすることが、知床の遺産を未来永劫守り続けていけることに繋がるのです。

次代の架け橋

 世界遺産に登録されて10年が経過した今、次の10年いやもっと先の30年50年続くプランの策定が大切です。知床自然遺産の取組みは、今後登録されるであろうアジアやアフリカ圏の国々に大きな指標となるのです。そのためオホーツク圏全体を視野に入れて、子どもたちに「身近にある知床はこんなに素晴らしい所なんだ」と伝えていく必要があります。総合学習でも課外授業でも出来ることはたくさんあります。私たち財団職員が先頭に立って、教育プログラムに積極的に加担していきたい。未来にわたって知床をオリジナリティ溢れた地域にしていくことが住む人にも訪れる人にとっても魅力あるまちとなり、誇りとなり、希望の地となる。子どもたちの中から次代を繋ぐ人を育成することが私たちの責務なのです。


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